開発宵宮

リモートワークや開発について書きます

なぜソファで仕事するのに最適な高さのデスクが少ないのか

9月から、旦那がソファで仕事をしている。
きっかけはスクラム開発とかいうやつに移行して、メンバーや会議が増えたからだ。

 

一日中会議をしている。
外ではセミが鳴き、リビングには旦那の話し声が満ちている。
8月、私の神経は限界だった。

 

今まではリビングの同じ空間で過ごすのも問題なかった。黙々とコードを書いている時間がほとんどだったから。むしろ飲み物を取るのに冷蔵庫が近いほうが都合がいい。

 

しかし様相は一変した。会議が増え、コミュニケーションコストも旦那のストレスも、私の神経の圧迫も激増した。

 

ちょうどその頃、北側の一室が片付いた。
去年の2月に越してきて以来、ほとんど物置状態になっていた部屋だ。

 

ある日ふと、片付いて空間ができた出窓の前に、ソファがあるイメージが浮かんだ。
酷暑の外出から戻って、そのソファになだれ込む自分が想像できた。そこにソファがないのが不自然なほどに思え、安くてちょうどいいソファを買った。

 

前々から、ここが片付いたら仕事ができるスペースを設けようとは思っていた。しかし今と同じワークチェアとデスクでは変化がなくて面白くないなぁと思っていた。

 

そんなとき、会議が増えた。話を聞いたり話たりするだけなら、ソファでもいいんじゃないか、というか、会議こそソファが最適はないか。

 

ということで会議が集中する日だけ北の部屋に移動してもらうつもりで環境を整えた。環境というのはつまりソファの高さに合った机のことだ。

 

だいたいのデスクは高さ70cmくらいだが、ソファはワークチェアより座面が低い。よって机は55cmから60cmくらいの高さでないといけない。

 

調べれば60cm程度の机や昇降式の机、膝上デスクのようなものやゲーミングデスク等々、候補になるものはあった。しかしどれも一長一短だった。

 

ということで作ることにした。と言ってもほとんど原型と言えるものはすでに作ってあった。

 

以前棚板として使っていたものに、こちらも元棚の脚をつけ、ベランダ用の机にして使っていた。

ベランダ用に作った机

 

しかし適当に作ったので横揺れがすごいし、この形状の脚ではソファの下に引き込めないので、作業しやすいところまで机を身体に引き寄せることができない。
なので再びリメイクすることにした。

 

バラして、

 

脚を調整し、

 

横揺れ軽減のために左右から金具で挟み込む。

 

念のため、足元をごつめの金具で補強して完成。

 

これでソファの下に脚を引き込んで、机を身体に引き寄せることができるようになった。

 

高さも、59.5cmくらいで少し高くなってしまったけど、本人的にはちょうどいいらしい。横揺れも多少はあるものの、かなりましになった。金具を足したらまだ改善の余地はありそうだが、特に問題ないのでこのまま使っている。あと、ダイソージェネリックカグスベールがあったので足の裏に貼っておいた。

 

初日の朝、やつはめんどくさそうにMacやサブモニターを移動していた。とりあえず会議のときだけでも試しに使ってみてよという私の要望に渋々応じるかたちだった。

 

それ以来、私は平日の昼にソファに座ることができなくなった。作業場としてのその環境を彼が気に入ってしまったからだ。

 

明るく開放感のある南側のリビングより、少し隔離された感のある北の部屋のほうが作業に集中できるというのもあるようだし、同じ空間にいる私に気を使わなくていいというのも大きいようだ。

 

さっきも言ったように、既製品の中で候補に上がった机もあるにはある。だけどスチール製でどうも足をぶつけたときに痛そうだったり、一回り小さかったり、クッションタイプで不安定だったり、形はパーフェクトなのに高さが70cmや45cmだったり、本当にどれも一長一短だった。

 

(クッションタイプとはつまりこういうやつ)

u-note.me

 

 

しかし実際、ソファに合う条件を満たしたものを作った結果、これ以上快適な環境はないとの感想が本人の口から出てきた。

 

この状況下、海外でもソファに適したデスクが開発されててもおかしくないと思うが、ソファはくつろぐもの、そこで仕事など邪道という固定観念が椅子文化の欧米の人の中にもあるのだろうか。

 

うちはもうかれこれ7年ほど自宅で仕事しているが、その間、仕事や生活というものへのそれまでの観念をずいぶん書き換えてきた。時間的、空間的に管理されて働いていた頃とは、仕事も、それ以外の時間もまったく違うものになった。何が言いたいかというと、欧米の人なんて我々より先を行ってそうな気がしてたが、テレワークに関してはそうでもないのかなということが言いたかった。

 

一方、日本人はテレワークになって効率が下がったという記事も見た。その理由は、これまでと同じように(働く人、それとも働かせる人が)仕事を捉えてるからかもしれない。その観念自体が、元々テレワークと相性の悪いものだったのかもしれない。

 

すでにもう何年も前からティールとかいろいろ言われているけど、仕事のやり方が変われば成果へのプロセスも、成果そのものも、これまでと違ったものになるくらいに考えるほうが自然なのではという気がする。以前にもリモートワークブームがあったが、多くの企業が撤退してしまったのはこのあたりの書き換えがされなかったためじゃないかと思う。

 

ともかく家具メーカーさんにはソファ用デスクを開発してもらいたいし、みんなラクに仕事したらいいと思うし、今までとかたちは違えど、成果がちゃんと出ることが証明されてコロナ関係なしにテレワークが定着したらいいと思う。

 

ソファで仕事をする人